米国株のちょっとした特徴
下への波も出てきた米国株
2017年までは見事に右肩上がりの相場展開を続けてきた米国株ですが、2018年に入り2月に一旦調整が入り、ほどなくまた平穏な相場が続いてきましたが、
ここに来て、また上下動を繰り返す相場展開になってきています。
今まで悪役扱いだった高配当株の相場が比較的穏やかな一方で、PERの高いハイテク銘柄の上下動(ボラティリティ)が高くなってきている印象を受けています。
1日で4%~5%の下落がある銘柄もあり、個別銘柄に触手を伸ばそうとされている方、もしくはチャンスを伺っておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かなり抽象的、かつ主観的な意見なのですが、しばらく米国株相場を見ている者からのアドバイスを送りたいと思います。
それは、
ということです。
特にデータや事実を引用することができず、申し訳ないです。
あくまで、ぼくの主観と経験に基づく意見ではあります。
アメリカ株は逆張りで攻略するようなマーケットではなく、順張りが似合うマーケットだということです。
日本株は100%逆張りが似合うマーケットだ、というつもりは全くないのですが、ある程度逆張りでもおもしろいマーケットだと個人的に思っています。
しかし、アメリカ株で逆張りを行って、満足した結果を得たことがありません。
むしろ逆で、一定期間トレンドが持続するケースがほとんどです。
そのため、短期利益狙いで逆張りをすると、結構な確率でヤケドします。
そういった意味では、人間心理(投資心理)に反するのですが、従順なココロをもった対応が、結実するのが米国株だと思います。
最近相場変動が激しいハイテク銘柄ですが、"ホントウに狙いの銘柄"でもない限り、個別銘柄に買い向かわずに、ETFでリスク分散しながら米国株相場に参入することがベターな選択肢かな、と思う次第です。
こーた
『飛躍への挑戦』葛西敬之著
JR東海の歴史、東海道新幹線の歴史、リニアへの挑戦
リニアの経済性を論じた書籍を探していたのですが、さっぱり見つからず、図書館で見つけたJR東海代表取締役名誉会長の書籍。
まぁ、読んでみるかと、と読み始めたのですが、結果オーライでした。
読み物としては大変おもしろかったです。
大枠として3部構成となっており、①国鉄改革、②本州3社分割後、JR東海の負の遺産の整理、③1992年以降の近代JR東海の営業施策と展開されます。
読んでいて本当におもしろいのですが、一歩引いて考えると、ドロドロの利権を巡る闘争が①〜②と繰り広げられます。
また、筆者の熱の入れ様が③に比べて①②の方が圧倒的に強い笑
半ば葛西氏の大局的な見地に感心しつつ、半ば積年の恨みを晴らすかの如き内容に辟易としながらも、国鉄改革・東海道新幹線の利権を巡る闘いの舞台裏を理解することができます。
個人的な感想として、ドロドロした政治色満載の舞台はまぁ良いとして、やはり東海道新幹線は儲かるんだな、というのをしみじみと感じました。
JR東、JR西、運輸省とそれぞれの立場から、全員がドル箱の東海道新幹線に執着を燃やす様が伝わります。
翻ると、東海道以外の新幹線が全然儲からないんだな、ということが想像されます。
やはり鉄道は輸送密度がモノを言うのですね。
少し言及があって、おもしろかったのが、品川で東海道新幹線と中央新幹線(リニア)の結節点ができなかった場合、新宿駅が東端の候補となっていたかも、との記載。
それはそれで、とってもワクワクしますよね。
一体どんなビジョンになっていたのでしょうね。
また安心した点として、リニアの安全性に関する記載。
『車上や沿線の磁界は世界保健機関(WHO)が推奨する国際ガイドラインをはるかに下回り、日常の生活空間に存在する磁場と変わらない』(p.338)
とのことです。
橋山先生の書籍では、磁場に関してはリスクのように扱われていたのですが(『必要か、リニア新幹線』橋山禮治郎著、p.131)、この点もクリアになっているようです。
やはり東海道新幹線は儲かる。
『この状況に安住していても、今後二〇〜三〇年間の安定的な利益は約束されるだろう。しかし、この間を無為に過ごすことは次なる時代における停滞の種をまくことになる。
(中略)
東海道新幹線の旅客から収受した資金をもってリニア中央新幹線を建設することは、これまで国鉄の過去債務返済に充てられていた東海道新幹線の収益を次世代の旅客の利便性向上に活用することであり、まさに当社創業の使命そのものである。』(p.347)
リニア新幹線の先行きから目が離せないですね。
こーた
『MOVE YOUR BUS』RON CLARK
教育者が語る組織論
ロン・クラーク氏の『MOVE YOUR BUS』を読みました。
Ron Clark氏はロン・クラーク・アカデミーの創設者であり、教師です。
28歳のときに、ディズニー社主催「全米最優秀教師賞」を受賞したことで有名だそうです。
そんな彼が著した書籍、『MOVE YOUR BUS』は、組織の構成員をランナー、ジョガー、ウォーカー、ライダーとドライバーの5種類に大別し、どのようにすれば効果的・効率的に組織を機能させられるか、これを換言し、いかに早くバスを走らせられるか、を説くビジネス書となっています。
①ランナー;期待以上のことをやってのけるヒト
②ジョガー;できる範囲で仕事をするヒト
③ウォーカー;引っぱられないと動かないヒト
④ライダー;座っているだけのお荷物
⑤ドライバー;組織のリーダー
筆者であるロン・クラーク氏自身がドライバー(校長)であることから、ドライバー視点でどのようにランナーからライダーに接すれば、より早くバスを動かせるか、に焦点を絞った構成内容となっています。
正直なところ、結構辛口な視点で執筆されており(ある意味で彼自身とても正直に書いているのだと思いますが)、自分はとてもランナーではないと思っているぼくは、読んでいてなかなか辛い書籍ではありました。
ただ、そんなぼくなりに、今までの行動を振り返り、直さないといけないな、と思う部分がいくつか見つかったので、そういった意味で、やはり良書だと思います。
端的に言えば、いかにバス前進の推進役であるランナーに頑張ってもらえる環境を作るか、そこにバスの速度は掛かっているのだ。
そういうコトがこの書籍で訴えているところだと感じます。
ジョガーは、ランナーの刺激を受けて、できるだけ頑張れ。そしてランナーがしているつまらない仕事を引き受けてくれ。
ウォーカーはせめて、ジャマだけはしてくれるな。そして誰にでもできることを積極的にこなしてくれ。
ライダーは去れ。
上記は、あくまでぼくなりの解釈で、書籍のどこにもこのような解釈は記されていません。
が、確かに、その通りなんだと思います。
いやはや、なかなかツライところがありますね。
ぼく自身、会社の中で仕事をしていますが、組織の前進よりも、やはり自分自身の頑張りや達成感といったエゴイズムが中心になっていたな、と思います。
そういった意味で、自分のためではなく、組織の成功のために、自分が機能するように心掛けないといけないな、と思いました。
こーた
相場急落時に買う銘柄
10月10日の米国市場下落が世界のマーケット下落を招いた
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
そろそろ、というかようやった秋めいた季節になってきましたね。
10月10日の米国株式市場で、S&P500が3.3%下落、NASDAQが4.1%下落、NYダウは3.1%の下落となりました。
人間は理由を知りたい生き物。
大幅に市場が下落した、と聞けば、"なぜ"と思います。
その明確な理由があれば、それが答えとなり、もしなければ、ある程度の推測の下で理由がこじつけられることになります。
株式相場でおもしろいのが、往々にして後者の場合も存在すること。
株式市場とは、参加者全員のコンセンサスの下で運営されています。
つまり、不特定多数の市場参加者の様々な思惑の下で、株価というコンセンサスが市場を形作るため、一概にこの理由で動いた、なんて簡単に説明できない場合も存在するのです。
そういった意味で、やはり相場が生き物に例えられることも理解できる気がします。
みなの感性・感情が、マーケットという生き物に生命を与えているのです。
今回の下落は果たして、長期金利の上昇や、貿易摩擦の影響が原因なのでしょうかね。
米国市場の下落が、1日遅れて世界に波及しました。
我らが日経平均は3.9%安、香港3.5%安、上海5.2%安、韓国4.4%安、台湾6.3%安と、まさに米国市場が世界のマーケットを代表することを証明するかのように、世界市場が下落したことになります。
こういった、相場急落時にどういった銘柄を買えばいいのか。
もちろん、答えはヒトそれぞれ違うでしょう。
そこで、ぼくなりの相場急落時の購入銘柄をご紹介したいと思います。
個人的に、相場急落時の対応で、1番つまらないのが、投資信託を購入することだと思っています。
なぜなら、いくらで購入できるのか・購入することになるのかが、結果を見ないと分からないからです。
日本株のインデックス投信の場合は、概ねその日の終値で、投資信託を買うことになります。
しかし、その日の終値が果たして急落した水準で維持されるのかどうか、分からないのです。
もしかすると、終わってみたら相場が回復して終わる、という可能性もあるのです。
またアクティブ投信の場合は、約定が翌日になるパターンが多く、これまた翌日のマーケットの動きが予測できないため、いくらで買えるのかが分かりません。
外国株式も同様で、米国株インデックスを例にとると、注文をした日の米国相場終了時点の終値で買うことになります。
よって例えば10月10日に米国市場が急落し、10月11日に米国インデックスの投資信託の買い注文を入れると、10月11日の米国市場の終値で投資信託を買うことになるのです。
正直に言って、相場急落時はリアルタイムに思った金額で購入したいもの。
そのためぼくは、相場急落時は米国株ETFを、東京市場で買う、という選択をしています。
こーた
長期投資家にとってトルコは買いなのか?
いまトルコは買うべきなのか?
トルコの経済情勢が冴えません。
為替は過去の最安値を更新し、株式市場も世界経済危機であった2009年の水準に下落しています。
トルコは長期投資家にとって、いまは絶好の買い場なのでしょうか?
ぼくは否と考えています。
大幅な物価上昇局面にあるトルコ通貨のリラは投資対象かと問われれば、論外だと思っています。
短期投資家の遊び場、あるいは投機の場と捉えた方が良いと思います。
それでは株式はどうか。
米国ではTURのチェッカーコードでトルコETFの売買が可能です。
下記がYahoo! Financeで見られる、TURのMAX期間のチャートです。
確かにリーマン危機以来の水準にあることが分かります。
今回のトルコ・ショックの原因がどこにあるか。
それは、エルドアン大統領による独裁化でしょう。
国内で独裁色を強める間は、とくに大きな問題にはなっていませんでした。
しかし2016年のクーデターが起きた際に、クーデターの首謀者として自宅軟禁に置かれた米国人牧師について、トランプ大統領が今年の8月に牧師の解放を要求。
これを受け入れなかったトルコに対して、トルコ発の鉄鋼・アルミニウムの輸入に関税を課すという経済制裁に踏み切りました。
これ以降、為替の下落、消費者物価の上昇、株価の下落と連鎖し、現在のマーケットの水準に陥っています。
今回の一連の動きの鍵を握っているのは、エルドアン大統領でしょう。
彼が態度を軟化するか、退陣しない限り、問題は解決されないと考えられます。
また、強硬姿勢を強めれば強めるほど、更なる経済指標の低下、マーケットの低下のリスクがあると考えて良いと思います。
これほど米国に脅されてもへこたれないトルコの強さに、ある種の感慨を覚えますね。
世間では米中の貿易摩擦が中心に取り上げられていますが、その裏で、米トルコはそれこそ本当の貿易戦争を巻き起こしているのです。
米国が負ける可能性はみじんもなさそうですが、トルコ、というよりもエルドアン大統領がどこまで粘れるかでしょうね。
市井の投資家が出る幕ではないかなと、ぼくは考えています。
こーた
『必要か、リニア新幹線』橋山禮治郎氏
書評『必要か、リニア新幹線』橋山禮治郎氏
JR東海が推進する中央新幹線構想、リニア新幹線の経済性を検証したいと、書籍やgoogleなどで、関連文書を探しました。
しかしまともな文献がなかなか見つからないのです。
これほどの大規模・公共プロジェクトの経済的効果を検証するような文献が、まさか見つからないとは思いませんでした。
一言いわせてください。
大丈夫か、日本の学会。。。。
そんな中で見つかったのが、この1冊です。
橋山禮治郎氏による『必要か、リニア新幹線』です。
数少ない関連書籍の中で、学者の先生によって書かれた、リニア新幹線を悲観的な見地から検証する書籍です。
なお、初版は2011年2月3日に発行されています。
橋山先生ですが、専攻は政策評価、公共計画、経済政策だそうです。
大平首相の田園都市国家構想立案に参画したほか、各種政府審議会・委員会委員を歴任されたと著者紹介には記されています。
書評なのですが、まずは結論から。
あまり議論(質)の深い本ではありません。
著者紹介でも記されている通り、公共計画・政策評価の専門家であり、過去様々な公共プロジェクトの評価に関わっておられるようですが、リニアの専門家ではありません。
そのため、本書170ページで構成されるのですが、その大部分である54ページが過去の「インフラ投資の成功と失敗」に充てられています。
要は、自分の過去の研究成果発表の場となってしまっているのです。
また1番肝心な経済性について「筆者の試算では、リニア中央新幹線単独のプロジェクト収支は開業当初から赤字の発生は必至で、黒字転換の目処も経たない。」(p.149)と記されていますが、その試算となる根拠は一切記されていません。
さらに書籍を通して、東京-大阪間の旅客輸送は伸びていない、座席利用率は55%~65%しかない、と記されていますが、この書籍が記された2011年現在は確かにリーマンショックの影響で利用状況は減少傾向でしたが、長期トレンドでは右肩上がりです。
そして、鉄道は航空業界と違い、座席利用率を上昇させることに大きなメリットはないでしょう。
それよりも、需要が伸びた分、満席で乗れない顧客が出ることを防ぐ目的で、列車を増発し、収入を増やすことの方が大事だと思います。
(東海旅客鉄道 2018 Fact Sheetsより抜粋)
公共政策の専門家からの見地が伺い知れて、面白い書籍だとは思いますが、リニア専門家ではないため、議論の質が浅く、説得力のある数値が根拠とともに示されているわけでもありません。
終始、悲観的な内容で、リニアを論じていますが、どちらかというと、東海旅客が公開している主張に対応する形で、この部分はこういう理由で説得力に欠ける、この部分はこういった理由で不可能だと思う、というような個別具体的な論調で、存在意義を問うことが学者先生には求められるのではないかと思いました。
こーた
以前にJR東海の記事を書いたものです。
ウォルマートによる西友売却はどうなった
日経での米ウォルマート売却報道から はや3ヶ月
日経が米ウォルマートの売却を報道したのが2018年7月12日です。
あれから、はや3ヶ月が経とうとしています。
色々な憶測や、報道に基づくコメントがなされましたが、公式な決定発表はいまだ行われていません。
むしろ西友のHPでは売却の検討や、第三者との検討も一切行っていないとの声明が発表されています。
ここまで相反する発表がなされると、どちらか一方は事実と異なる発表と見なさざるを得なくなるのですが、この3ヶ月でなんの進展もないところからすると、ウォルマートによる西友の売却はないのかもしれません。
日本経済新聞は何を根拠に報道を行ったのでしょうね。
国民の知る権利を保護するためにも、報道の自由、情報源の秘匿はある程度守られるべきものとは思いますが、ここまで音沙汰がないと、報道機関の信用に関わる気がします。
ウォルマート側の見解である、売却はしない、というストーリーの信憑性が高まりますね。
しかし日本が高齢化社会であり、右肩下がりのマーケットであることは確かです。
西友の売却如何を問わず、何かしらのイノベーションが問われる業界であることには間違いがありません。
小売店に行き、買い物かごを手に店内を物色し、購買物を手にレジに並んで、精算する。
そんな何年も変わらない風景も、変わるべきとき、あるいは変わらない時代になってきているのでしょう。
セルフレジ、精算だけセルフ、無人店舗、等々、アイデアは様々出てきていますが、まだどれもメジャーにはなっていない印象です。
eコマースと対をなす、リアルなお買い物の風景。
やはり鍵を握るのは、"精算"なのでしょうか
こーた
日本経済新聞による売却報道がなされた時の記事です。