ETF ; 投資の世界のイノベーション③
ETFが開発されるまでになぜ459年も要したのか?
投資の世界のイノベーションというタイトルで2回、記事を投稿させて頂きました。
証券取引所が開設してから、ETFが上場するまで、実に459年の時間がかかったということになります。
一体なぜこれほどまでに時間がかかったのでしょうか。
考えてみたのですが、正直なところ、分かりません。
仮説ベースですが、聞いて下さい。
①だれも思いつかなかった
一番シンプルな仮説です。
投資信託は投資信託、個別銘柄は個別銘柄で、境界がはっきり分かれており、完全に別のものというイメージしかなかったからです。
そのイメージの下では、ETFという金融商品の発想すら湧かなかったのかもしれません。
②売る側のメリットがなかった
恥ずかしながら、海外のFundの手数料体系を把握していないので、あくまで日本をベースに話させて下さい。
投資信託を販売する側にとっての収入として、販売手数料、信託報酬があります。
販売手数料は、投資信託を販売する際に徴収する一次手数料です。
一時手数料でもあり、始めに払えば、それでおしまいです。
他方で、信託報酬は購入者がその投資信託を保有し続ける限り、永続的に発生する手数料です。要は委託手数料のようなものです。
ETFのようにインデックス運用の形態を取る投資信託の場合、手数料がかなり低めに設定されるのが通常です。
売る側にとってのメリットが少ないため、販売しなかったのかもしれません。
いずれの仮説も、まぁ考えられなくはないのですが、かなり苦しいです。
反論はいくらでも思いつきます。
もし読者の方で、本当の理由がお分かりになれば、教えてください。
ただし、1つだけ、明確な答えがあります。
それは、イノベーションはどこからでも生まれる、ということです。
冒頭書いたようにETFは459年間、生まれなかった金融商品です。
リーマンショックのときに問題になったような住宅担保証券を組み込んだ複雑な金融商品ではありません。
至ってシンプル、かつ低コストで投資家思いの、思いやりにあふれた金融商品です。
iPhoneもそうであったように、イノベーションと言っても、今までまったく存在していなかったものが、突然変異のように開発・発明されたわけではありません。
ETFは、今まであった普通の投資信託が、株式市場に上場しただけなのです。
起きた変化はただ、それだけなのです。
既にこの世に存在しているのですが、その組み合わせを変えてみるだとか、場所や形を変えてみるだとか、たったそれだけの変化で、社会、あるいは人々の行動様式を変化させることがあるのです。
ふと周りを見渡して、このような変化を自分が思いつかないか、思いを巡らせてみたくなりますね。
こーた