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個別株②;帝国繊維

社会の安全、生活文化の向上に貢献する企業

 

個別株トピックの第2弾は帝国繊維です。

 

www.teisen.co.jp

 

見出しにも書きましたが、企業理念は「社会の安全、生活文化の向上に貢献する企業」です。

 

東証一部上場会社なのですが、相当マイナー企業だと思います。

 

時価総額では700億円ほどで、それなりの規模ではないでしょうか。

 

上場来高値は1990年7月につけた3,220円で、当時では870億円に相当します。

まぁ、バブル高値を超えられていない典型企業ではあります。

 

創業は1887年の超老舗企業で、防災事業と繊維事業を営む会社です。

比率としては防災事業が売上・利益ともに75~80%ほどを占めている状況です。

 

帝国繊維にぼくが投資を始めたのは2010年なので、8年ほどの付き合い、ということになります。

 

れっきとした防災企業なのですが、認知度はいまひとつで、Yahoo!ファイナンスで「防災」と検索しても、トップ15にも表示されません。

 

ですが、近年スパークス・グループが同社に対して株主提案を行ったことから、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 

具体的にどのような防災事業を営んでいるのか。

主に消防ホースの販売で最大手らしいのですが、原子力発電所や空港向け大型防災資機材にも強みがあるようで、東日本大震災の発生後に原子力発電所の防災対策が盛んとなった2013年から2014年にかけて直近での最高益を計上しています。

当時の売上高当期純利益率は15%近くにも達し、超高収益企業でしたが、2017年度は11%ほどに低下しています。

 

この会社、事業内容も収益性もかなり魅力的な企業だと思うのですが、財務戦略という意味でガバナンスがとても脆弱な会社だと言わざるをえません。

 

2017年4月にスパークス・アセット・マネジメントから公表された「帝国繊維取締役会に対する当社の要望について」がかなり秀逸だと思いますので、要点を一部抜粋させて頂きます。

 

・2016年度末時点で、総資産のうち、67%が現金・有価証券で占められている。

・2016年度末時点で、総資産が600億円ほどであるのに対して、185億円程度のヒューリック株式が保有されている。なおヒューリックは不動産会社であり、当社とはシナジーが薄いと考えられる。

・優良な事業から稼ぎ出さ れる潤沢な営業キャッシュ フローが、設備投資にも株主還元の拡充にも使われ ず、現金としてバランスシー ト上に蓄積され続けている。

 

以上です。

要は事業内容はピカイチ。経営方針も悪くない。一方で資本政策は最低。

そんな状況です。

配当性向は日本企業お決まりの30%台で、大した設備投資もなく、残り70%が年々現金・有価証券として積み上がっている状況なのです。

 

さらに腹が立つのが、IRの情報開示もいまいちなこと。

 

近年経営戦略として、「消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服の4事業分野で確固たる業界№1の地位を確立する」と掲げられ続けているのですが、現状の地位がどれほどのもので、具体的に確固たる業界No.1とはどれくらいのシェアを握れば確固たるNo.1なのか、ここ数年状況がどのように変わっているのか、まったく不明瞭なままでいます。

つまり投資家とコミュニケーションが上手く取れていない。

 

今年の株主総会ではスパークスが増配を提案したのですが、その際に上記ヒューリック株式についても言及されていました。

帝国繊維取締役会の回答が株主総会招集通知に下記のように記されています。

f:id:cohtausa:20180902234918p:plain

 

意味が分からない。

 

仏の顔も3度まで。

もしスパークスが無理なら、村上ファンドライブドアのように敵対的にでも企業価値向上のための財務施策をとるような動きを迫る必要があるのではないでしょうか。

 

こーた