『サブスクリプション』TIEN TZUO
Zuora サブスクリプション時代の到来
書籍レビューです。
Tien Tzuo氏の『サブスクリプション』を読みました。
UberやAir bnbなどの浸透はシェアリングエコノミー化が進んでいることの象徴であると同時に、
モノを所有することではなく、物品やサービスが生む"便益"を重視する社会的な流れを象徴している。
確かにその通りですね。
第二次産業革命後の大量生産・大量消費社会では、モノを持つことで、全てを解決しようとしていたのではないでしょうか。
そしてモノを持つこと自体がステータスであり、富の象徴であった。
モノがあふれるようになった昨今では、このような考え方は、もはや廃れてきているのでしょう。
代わりに徐々に浸透してきた考え方として、"モノはみんなで共有し、必要なときに、必要なだけ使いましょう"。そういうことなのだと思います。
一昔前は生活家電も高級な時代があったわけで、テレビを見るために、テレビを持っているお金持ちの家に集まっていた時代もあったのです。
となりのトトロでも、さつきは電話をかけるために本家のおばあちゃんの家に借りにいっています。
ある意味で時代に逆行した、古き良き時代に戻ろうとしているのではないでしょうか。
昔と違うのは、モノの所有者が無償で使わせてあげるのではなく、有償で物品やサービスを提供する、という経済実態です。
モノがあふれる時代となり、金持ちだけがモノを持つ時代ではなくなったのです。
今では逆に、富めるヒトが、市井のヒトからものを借りる、というのも立派なビジネスになる、という時代なのです。
閑話休題。
サブスクリプションという、継続課金型の契約形態が主流になることで、企業はより誠実に顧客に接する必要があるとともに、常に顧客満足を満たすために、提供する物品・サービスのアップグレードと改善が求められることになります。
何しろ、売り切りではなくなるのですから。
品質の悪いものを売りつける、機能を偽ってヒトをだます。
このようなビジネスが実質的に不可能になるのです。
顧客側にしてみれば、常に品質が向上するサービスや物品の提供を受けられることで、従前に増して、企業へのロイヤルティが上がるとともに、享受できる便益が増えるのです。
世界的な注目を浴びるSalesforce.com出身のTien Tzuo氏が創業したことでも知られるZuora。
サブスクリプション型ビジネスのプラットフォーム提供企業として、今後の発展も期待できるのではないでしょうか。
こーた