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長期金利の上昇と高PER銘柄の関係

金利が上昇すると株価は下がる

 

ハイテク銘柄の調整とともに、株価の乱高下が伝えられています。

 

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背景には長期金利の上昇という説明がよくされています。

 

さて、なぜ長期金利が上昇すると高PER銘柄が下落するのでしょうか?

 

答えは、『企業価値は、その企業が将来生み出す価値を現在の価格に割り戻す』からです。

 

例えばTeslaの2022年の予想EPS(1株当たり利益)は$5.5です。

 

つまり株価が$600のとき、$5.5で割った109という数字がPERとなり、

 

株価は109年先の利益までを織り込んだ水準を意味することになります。

 

本当は$5.5の利益が永続的に続くわけではありませんが。。

 

一方でトヨタ自動車の2021年3月期の予想EPSは680円で、株価8,000円のとき、PERは12倍ということになります。

 

トヨタ 12年に対して、Tesla 109年ということで、Teslaの方がより長期的な企業価値、あるいは長期的な成長期待が、株価に織り込まれているのです。

 

しかし将来の利益はイコール現在価値とはなりません。

 

なぜならそこには利息というものが存在するからです。

 

1年後に利益100を得られる場合、金利0では現在価値も100(100÷(1+0%))になりますが、金利が1%の場合、現在価値は99(100÷(1+1%))となります。

 

企業Aと企業Bがあるとします。説明を簡単にするため、ざっくりいきます。

 

企業AのPERは2で、2年後までの将来価値が株価に織り込まれています。

企業BのPERは4で、4年後までの将来価値が株価に織り込まれています。

企業Aは1年後に50、2年後に50の利益を得る見込みです。

企業Bは1年後に25、2年後に25、3年後に25、4年後に25の利益を得る見込みです。

 

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金利が0の場合は、いずれも将来得る利益の合計が100になるので、株価は100ということになります。

 

ところがここで金利が1%に上昇したとします。

そうなるとより将来に得られる利益に対する利益の割引率が大きくなります。

1年後の利益を割り戻すのは1.01ですが、2年後だと1.01の二乗となり、1.0201になり、同様に将来の利益の割引率がより大きくなるからです。これがいわゆる複利の効果です。

 

この計算に基づくと、金利1%のとき、企業Aの現在価値は98.5、企業Bの現在価値は97.5となり、企業Bの方が1%減少幅が大きくなります。

 

これが今のマーケットで起きていることになります。

 

長期金利の上昇の結果、企業価値が減少することになる。

さらにGrowth株と言われる高PER銘柄の方が下落率が大きくなる。

 

これらの反面、長期金利が上昇することで収益が伸びる金融セクターや、原油価格の上昇に伴いエネルギーセクターの株価は好調ですね。

 

 Teslaを含むハイテクセクターの調整が過剰なきらいはありますが、落としどころを探るマーケットではよくある調整ですね。

 

長期金利2%を想定すると、まだ下落する余地はありそうです。

いずれにしろ一括投資していなければ、致命的な傷ではないでしょう。

まだ株価に割高感もある気がしますが、末永くマーケットとお付き合いして行きましょう。

 

こーた

 

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