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福山通運による近鉄グループからの自己株式の取得

個人的にもっと評価されても良いと思いますが・・・

 

5月11日に福山通運近鉄グループ保有する自己株式8,351,200株を1株当たり4,049円、総額338億円で買い付けると発表しました。

 

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買付方法は野村證券を通じたTOBで、買付株式は福山通運の発行済株式から自己株式を除いた17.05%に相当する株数になります。

 

なお買収資金は三菱UFJ銀行から借入金により調達し、自己株式の処分等の方針は現時点では未定とのことです。

 

福山通運の2021年3月決算短信によると、3月末時点の現金・預金の残高は370億円、借入金残高は926億円です。更に投資有価証券の残高は504億円、支払利息2.2億円に対して、受取配当金10.7億円となっています。

 

非常にざっくり表現すると、現預金+有価証券=借入金で、運用利益が借入利息を上回っていることになり、実質無借金と言っても良いかと思います。

 

自己株式を継続的に保有、あるいは消却すると考えると1株当たり利益が増加することになるので、株価は理論的には1.2倍になってもおかしくないことになります。

(計算式は1/(1-17%))

 

てっきり福山通運の株価は上昇すると思っていたのですが、発表日5月11日の終値4,210円に対して、5月28日の終値4,065円と一向に上昇する気配がないどころか、むしろ株価は下がっています。

 

5月11日同日に2021年3月期決算が発表されたのですが、2021年3月期決算、2022年3月期業績予想ともにアナリスト予想から5%以内の乖離となっており、業績が株価にインパクトした可能性もそれほどないと言っていいと思います。

 

今回の福山通運による自己株式の取得。

近鉄グループの資金需要の増加、引いてはコロナによる経済減速が招いた鉄道会社・旅行会社の業績不振が原因ですが、本来あるべき経済サイクルが及ぼす正しい経済側面だと思います。

(不調の企業が事業に不必要な資産を処分するという意味合いにおいて、)

 

理由や背景を問わず、何でもかんでも政府や自治体が救済して、ゾンビ企業を量産しても経済の新陳代謝は進みませんし、企業の自助努力に対するインセンティブも失われます。

 

僕は今回 近鉄グループ福山通運が資本的に強い結びつき(それも60年以上)があったということを初めて知ったのですが、今回の売却の背景を踏まえるとそれほどの関係を持つ必要性は薄かったと言わざるを得ないでしょう。。。

 

日本企業による不必要な株式保有がもっと減れば良いなと願うとともに、自己株式取得企業の企業価値がもう少し評価されても良いのでは、、、と思う今日この頃でした。

 

こーた

 

 

通常の自己株式と比較して、特に異なる点はないと思うのですが、、、

しかし米国の株主還元と日本のそれとはまだ開きがありますね。

coreusa.hateblo.jp

 

コロナ禍で物流企業は好調ですが、その意味では福山通運はそれほど業績を伸ばしていませんね。。。

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ごくまれに株価(コンセンサス)が異常値となることもありますが、、、いつか株価が上がる日が来るのでしょうかね

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