個別株①;JR東海・東海旅客鉄道
日本の大動脈を支えるJR東海
アメリカコア・日本サテライト、と言いながら1度も日本サテライトの話ができずにここまで来てしまいました。
遂に日本個別銘柄の話をしてみたいと思います。
1つだけ、前段として話をさせてください。
ぼくは日本株でも長期投資が好みです。
1・2年、ましてや数ヶ月や数週間で売る投資は前提としていません。
日本という国のファンダメンタルを考えると、日本へのインデックス投資は、米国投資に比べると著しく劣後すると思います。
一方で、個別銘柄で見ると、まだまだ投資する価値のある企業が存在すると思っています。
そんな国内個別銘柄として初めて取り上げる企業が、JR東海、東海旅客鉄道です。
奇しくも、というか、残念ながらというか、ぼくがいま現在保有していない銘柄となります。
しかし長期的な視点でこれほどまで、需要が明確に存在し、収益性が高い事業はそう簡単には見つかりません。
人口減少社会にある日本でも、東京・名古屋・大阪・福岡の大都市圏の人口は、地方に比べると、比較的底堅く推移すると考えられます。
さらに東京1極集中の日本において、東京出張をするビジネス関係者の数は相当数あり、帰省や旅行等の観点からも、新幹線利用者は一定の水準を維持すると、個人的には考えています。
また訪日外国人の方々に、引き続き日本の魅力をアピールできるのであれば、潜在的な成長余力にもなるかと思います。
そして良い意味でも、悪い意味でも、1番のリスク要因(企業業績の変動要因)となるのが、2027年開業を目指しているリニア中央新幹線(中央新幹線)です。
東京-名古屋間を40分、東京-大阪間を1時間07分で結ぶとされています。
(なお、東京-大阪間の開業は2037年と予定されています。)
この中央新幹線が開業することで、あらたな需要を創造されることが予想され、今までの新幹線の概念が覆されるかもしれません。
昨今、全自動運転や、ハイパーループ(Hyperloop)等、移動(モビリティ)におけるイノベーションに関するニュースに事欠きません。
ただ、いずれも研究・実証段階で実現可能性はまだまだ見えない状況です。
これらが実現した暁には、JR東海の業績が下方に振れるリスクにはなるかと思います。
しかし、リニアモーターカーはすでに実現に向けて動き出しているのです。
リスクを負って、リターンを得にいくのは、営利企業の本来の目的に適っています。
また、現状の新幹線の収益性が高いこともJR東海の強みの大きな1因であり、中央新幹線というイノベーションのエンジンとなっています。
JR東海の2018年3月期決算発表に記載されている、運輸事業の営業利益は6,230億円で、営業利益率は約44%に達します。
なお全日空率いるANAホールディングスの2018年3月期航空事業の営業利益は1,395億円、営業利益率は9%です。
この収益性の源泉は、基幹的な構造にあります。
飛行機は大きくても1機500名ほどの定員で、乗員が少なくとも20名ほど必要になります。
一方で、新幹線は16両編成で、定員は1,300名、乗員は4名ほどです。
開業時期が予定通りにいくのか、工事が計画通り順調に進捗するのか、予定運賃は東海道新幹線から数百円から1,000円高い程度と公言されていますが、本当にこの水準になるのか、
といったところでしょうか。
準備に10年を超える期間が必要になる壮大な計画であり、少なくとも1度や2度の危機が訪れることでしょう。
株価水準をみて、適時・適切に買いでのぞみたいと思っています。
同社のこれからが楽しみですね。
こーた