利上げ前にこそ確認したい①中央銀行と政府の役割
FRBの量的緩和縮小が視野に
遂にアメリカFRBのChair Powell が量的緩和縮小に言及しましたね。
中央銀行の役割は物価の安定と雇用の最大化にあると言われています。
また政府の役割の1つとして、増税・減税や公共投資などの財政政策を通じて景気の調整を行うことが挙げられます。
景気が良い時は増税や、公共投資を減らすことで、経済の過熱を防ぐとともに、政府自身の財政状態を良くして、次の不景気に備えます。言い換えれば、将来世代への貯金を作ることになります。
他方で、景気の悪い時は減税や公共投資を増やすことで、経済を活性化させることを図ります。この際、政府自身の貯金を取り崩す、あるいは借金を行うことなり、言わば将来の経済成長を先取りする、もしくは将来世代に大しては借金を背負うことになります。
経済が正常化し、量的緩和を終了させること、利上げを行うことは景気循環という過程においては極めて重要なマイルストーンであり、歓迎すべき事柄です。
利上げが起こると、一般的に投資家は株式を売って、債券を購入すると考えられています。
なぜなら不確実性の高い株式よりも、確実性の高い利回り(国債・社債などの債券)を求めるのが合理的な行動と考えられるからです。
上記の説明では『株式』と一括りにしていますが、利上げの影響は業種によって大きく異なります。
例えば金融業の代表格である銀行業は利上げによって、利ざやを確保できる、つまりは収益機会が高まることになるため、株価は上昇しやすいです。
一方で成長性が高いIT・ハイテク銘柄は、その急成長を支えるために借入を増やしてシステムや人材に投資を行うことが一般的であるため、利上げによる利息負担の増加は収支に悪影響があるとされ、株価は下落しやすいです。
また企業価値を、将来収益の割引現在価値に置き換える際にも、利上げによって割引率が上昇するため、企業価値に占める将来価値の比重が高いハイテク企業は、ファイナンス理論からも株価が下落しやすいです。
このように利上げが株式市場に与える影響は、業種によって大きく異なってくることになります。
こーた
コロナ禍の利上げ局面もニューノーマルですね
どこまで行っても、やはり心構えはこうあるべきだと思っています。
将来を予測するのは大事ですが、博打はやめましょう