『チャールズ・エリスのインデックス投資入門』
チャールズ・エリス氏の余韻に浸りながら
チャールズ・エリス(Charles Ellis)氏の「チャールズ・エリスのインデックス投資入門」(The Index Revolution)を拝読しました。
今回はその書評も兼ねて、最近のマーケットについて、思うところを書かせていただきます。
・マーケット取引の9割以上はプロ(機関投資家)の取引である。
・つまり株価は多数のプロがつけた企業価値のコンセンサスである。
・情報開示ルールが整備されるとともに、機関投資家(投資のプロ)の情報収集力(≒開示ルールの整備)・投資判断のスキルが向上することで、経済の事象・ニュースは即座に株価に織り込まれる。
印象的だったのは、上記のポイントです。
要は、投資の素人が、とある企業の株価が割安だ・割高だといって取引するのは、プロのコンセンサスに対してケチをつける・けんかを売るようなものである、ということだと理解しました。
…なるほど。
またMr. MarketとMr. Valueのお話もおもしろかったですね。
Mr. Marketは人々を誘惑するマーケットの一面で、様々なニュースで上下する株価を武器に様々なヒトを”行動に駆り立てる”側面。
一方でMr. Valueは目立たない裏方で、黙々と適切な企業価値を反映し続ける側面。
短期的には乱高下する株価で短期売買を誘引するMr. Marketと、長期的には経済実態を適切に反映するMr. Value。
Mr. Marketではなく、Mr. Valueと上手く付き合っていきたいですね。
ひるがえって最近のマーケットです。
高止まりしている水準とは言え、過熱感もなければ、悲観論もない。
あふれそうで、あふれない、表面張力が働いた株価水準のようですが、Mr. Valueの目で見れば、日進月歩で会社の収益力が向上する、日々の適切な経済実態を反映した水準なのかもしれません。
Mr. Valueと付き合うためには、Mr. Marketから付き合い始めないといけない。
なんとも奇妙な因果関係ですが、日々これ淡々とインデックスから入っていく、という付き合い方がやはり最適なのでしょうか。
こーた