JR東海の損益分岐点を考える(+第2四半期決算も)
まだまだ厳しい状況が続く
10月に入ったところでJR東海の第2四半期決算を占ってみると同時に、その損益分岐点を確認してみようと思います。
第1四半期決算は簡単に下記の状況でした。
なお数字はJR東海の単体決算(ほぼ鉄道事業のみ)から引用しており、億円単位です。
やはり鉄道事業という性質上、その費用がほとんど固定費なのが見て取れますね。
対前年同期比で売上が22%になっているにも関わらず、費用は91%で10%も減っていません。
ドル箱路線も、大量輸送が実現しないとこれが現実というところです。
費用が売上の2倍の水準ですからね・・・・
直近の月次動向から、第2四半期(7-9月)の新幹線利用実績が対前年同期比で31%で着地したと仮定した場合の第2四半期決算(7-9月)を計算してみました。
対前年同期比16%だった第1四半期に比べて大きく改善していますが、依然経常損益は大きくマイナスです。
なお参考までに4-9月の予想は下記になります。
この数字をベースに第2四半期で、どれほどの利用実績があれば経常損益がゼロ(収支トントン)になるのか計算してみました。
ざっくりこんな感じです。上記予想に比べて、変動費相当額だけ費用が増えています。
そしてこの売上2,065億円が対前年同期比でどれくらいの運輸収入になるかというと、53%ほどになります。
つまり2020年の月次利用動向が、対前年同期比で53%にならないと黒字化できないということです。
第2四半期の予測が35%なので、53%はまだまだ遠いですね。。。
こーた
こんな記事を書いたのですが、ずいぶん昔の話になってしまいました。。。
月次利用は改善傾向ですが、今後はどうでしょう
リニアの静岡県問題はどうなるのでしょうね、最近話を聞かないですが、、、
次は米国債券クラスへの投資環境改善を
求む!!アメリカ債券へのアクセス環境改善
この2〜3年でアメリカ株式への投資環境は劇的に改善しました。
今までS&P500に連動する投資商品へアクセスするだけでも大変だったなんて、まるで夢物語のようです。
ここまで来ると、次の欲が出てきてしまいます・・・(^ ^)
関係者の皆様、次は米国債券への投資環境の改善を期待したいです!
各社S&P500連動商品が出そろい、楽天VTIまでも存在し、NASDAQ100へのアクセス環境も整いつつあります。正直、アメリカ株式クラスの環境整備はもう十分です。
まず1番に期待したいことは米国ETF(BND, AGG)の売買手数料無料化です。
マネックス証券がVTI、VOO、VTなどの手数料無料化を発表した時は度肝を抜かれましたが、債券クラスで1商品、ラインナップに加えて欲しいところです。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券と米国株式手数料無料の商品がありますが、いずれも債券クラスは含まれていないのが現状です。
手持ちの米ドルについて、外貨MMF以外の債券クラスの運用先として、代表銘柄であるBND、AGGへの無料でのアクセス権を期待したいです。
第2の希望として円建てで投資できる投資信託の整備を期待したいです。
国内ETFとしてはブラックロックのiシェアーズ・コア 米国債7-10年が現状では最も優れた投資先になりそうです。
しかし投資信託ではまともな商品が今のところ1つもないです。
先進国債券クラスの投資信託は数多く存在しますが、米国債券のインデックスがないなんてちょっと信じられないですね。。。
債券クラスの資産も、長期の資産運用には欠かせないですし、世界大国・基軸通貨の米国・米ドル建ての債券クラス商品を切望します。
業界関係者の皆様、何卒どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
なんてこんなマイナーブログでつぶやいてもねぇ。。。
こーた
マイナス金利導入の環境で国内債券クラスは投資に値しない商品になっています
どうなの?自分の応援したい企業の株を買う
投資初心者にお勧めできない投資法
投資初心者の方へ、オススメの方法として紹介される、"自分が応援したい企業の株式を購入する"という行為
これは本当にオススメできる方法なのでしょうか?
結論から言うと、僕はまったく賛同できません。
なぜか
東京証券取引所の場合、4000弱の会社が上場しています。
投資信託は約6,000本もの数が存在しています。
おそらく初心者のヒトには数が多すぎて、選べない
だからとっかかりとして、自分の知っている企業、その中でも自分の好きな会社から手始めに株を購入しましょう。
それが投資初心者のヒトに、自分の応援したい企業の株を買ってみよう、とオススメする背景なのだと思います。
しかしそんな単純なことで利益を得られるほど投資は甘くないですし、そもそも自分の好きな"企業"なんて1年続くかどうかも分かりません。
確かにマクドナルドやセブンイレブン、ユニクロやニトリ、SUBARUなど、自分にとって好きな商品を販売する企業の株式を保有するのは、理論的で背景としてもキレイです。
しかし個人的に思うのです。
応援したいのであれば、"その会社の製品を買い続けることだ"と。
何も株式を購入する必要は全くないのです。
確かに家やクルマはいくつも買うことができないため、その企業を応援する意味で株式を購入するのはまだ分かります。
しかし小売や外食企業について言えば、株式を購入するよりも、商品・サービスを購入した方がよっぽど経済的な観点で正しいと思います。
僕は個人的に、企業は顧客のために存在していると考えています。
そして企業を導き・運営するのが経営者・従業員であり、
それをサポートするのが株主だと思っています。
企業が満足させるべきなのは株主ではなく、顧客です。
株主が企業に対してすべきなのは、①事業運営に必要な資金を拠出すること(増資・IPO)、②経営陣が提案する重要案件についてその是非を述べること(株主総会)、その2点だと思っています。
そして株主の立場から、配当または株価上昇という形で企業発展の対価を受け取るのです。
株主になるにあたって、その企業のサポーターとなる必要性は全くありません。
またたとえ自分が好きでも、社会的に優れた企業、将来性のある企業でなければ、投資すること自体、正しい行為とは言えません。
株式相場は言わば美人投票です。
みんなが良いと思う企業の株が上がり、みんながダメだと思う企業の株は下がります。
あなたが好きだから、という理由だけで株が上がる訳ではないのです。
投資を始めるに当たって、くれぐれもその点について、混同の無いように・・・
こーた
投資初心者に必要なのは分散投資。個別株は避けるべきです。。。
株を買った後に値下がりを経験しないコトなんてないです。
自分の好きな企業でも買った株が下がると・・・・
NTTによるNTTドコモのTOBを簡単にサマリーする
過去最大の国内企業TOB
2020年9月29日にNTTがNTTドコモに対してTOBにより完全子会社化することを発表しました。
このニュースに関する数字を簡単にサマリーしてみたいと思います。
それでは張り切って行ってみましょう!
2020年9月29日 NTTによるNTTドコモ買収発表
9月28日NTTドコモ株終値 ¥2,775 ⇒ TOB価格 ¥3,900
配当落ち分も考慮すると 9月28日NTTドコモ株終値 ¥2,712.5
プレミアム(上乗せ)¥1,187.5 +43.8%
買収総額;TOB対象株数 1,091百万株 × 1株あたり買収価格¥3,900 = 4兆2,549億円
NTTの1年当たりフリーキャッシュフロー(FCF);約9,000億円
借入金返済期間;4兆2,549億円÷9,000億円=4.7年
FCF - NTT(親)配当金;9,000億円ー3,540億円=5,460億円
借入金返済期間;4兆2,549億円÷5,460億円=7.8年
2021年3月期 NTTドコモ1株当たり予想利益;¥187.4
買収発表前のNTTドコモ企業価値;¥2,712,5 ÷ ¥187.4=14.5年
買収価格によるNTTドコモ企業価値;¥3,900 ÷ ¥187.4=20.8年
プレミアム;20.8年ー14.5年=6.3年分
親会社以外の保有比率;36%
2021年3月期 NTTドコモ予想利益;6,050億円
2021年3月期 NTTドコモ 親会社以外に帰属する利益;6,050億円 × 36% = 2,178億円
上記利益のNTT1株当たり価値;2,178億円÷ NTT発行済株式 3,635百万株=¥59.9
買収発表前 NTT 2021年3月期 1株当たり利益予想;¥231
1年換算の買収後 NTT1株当たり利益予想;¥231+¥59.9=¥291
20201年10月7日 NTT株終値;¥2,295.5
今日時点のNTT企業価値;¥2,295.5 ÷ ¥231 = 9.9年
NTTドコモ買収後 NTT企業価値予測;9.9年 × 291円 = ¥2,891
本日株価との乖離;¥2,891 ー ¥2,295.5=¥595 +26%
正解なんてありません。
国内過去最大のTOBが成功すれば良いなと客観的に思います。
投資は自己判断で。妄想はfreedom。
こーた
貸株金利と投信保有ポイントは見落とせない
貸株サービスと投信保有ポイントによる還元は大きい
ちょっと前では考えられないくらい、本当に良い商品(良いインデックス対象)が増え、信託報酬もほぼ決定打とならないくらい各社横並びになってきました。
インデックス投資を行っていると、ついコストにばかり目が行きがちですが、証券会社が用意しているサービスによる便益もしっかり考慮しておきたいところです。
それが貸株サービスや投信保有ポイントです。
貸株は、証券会社に保有株を貸し出すだけで得られる金利相当額のことです。
SBI証券の場合、一部外国株などを除きほぼ全銘柄が貸株サービスの対象銘柄となっており、最低0.1%の金利が付与されます。
また投資信託の場合、インデックス投信などの低信託報酬の銘柄を除き、0.1%が還元されます。
投資信託の場合、インデックス投信がほぼ0.1%付与の対象外となっているため、ほとんどメリットはありませんが、貸株の0.1%はほぼ全銘柄が対象です。
1655 iShares S&P500 ETFや2558 MAXIS S&P500 ETFなど信託報酬が0.1%を切るものは、他のコストを無視すると、保有するだけでリターンがプラスになる計算になります。
とくに米国ETFか国内上場ETFか考える際に、信託報酬や総経費率を考慮する方が多いと思いますが、外国税額控除のデメリット・確定申告の手間、そして貸株サービスを考えると、国内上場ETFを選択する余地も多いにあるのではないかと考えます。
投資好きで米ドル建ての取引を行いたい、分配金を米ドルで受け取りたい、米国マーケットで取引を行いたい、など米国マーケットが好きな方は米国マーケットでの取引が向いていると思いますが、将来のための資産運用をなるだけ手間をかけずに行いたい、と割り切るのであれば、貸株サービスや投信保有ポイントは大きな後ろ盾となるはずです。
こーた
外国税額控除の二重課税調整制度も素晴らしい制度ですね
どんどん米国投資が簡易・便利な時代になってきています
2568 日興NASDAQ100の貸株金利はSBIで現在0.4%となっています
インデックス投資;国内債券クラスへの投資は必要か?
国内債券にメリットはあるのか?
インデックス投資を始めるときに、株式クラスと債券クラスの投資先を検討します。
株式の比率、債券の比率を考えるのも楽しいですが、どのインデックスに投資するのか考えるのも楽しいですよね。
自国通貨建ての債券クラス投資は、為替リスクがなく、安定的な利息が得られるため、基本的には安全性の高い低リターンの投資先という位置づけになるはずです。
しかし日本の債券に関しては、日本銀行がマイナス金利を導入している背景もあり、債券利率はほとんどウマミの無い水準になっています。
現状で最も安全性が高く、国内債券クラスの投資先として最適と思われるのは個人向け国債です。
しかし10年変動金利の個人向け国債でも、その金利は0.05%となっており、1年間で税引き前1万円に対して5円、10万円で50円、100万円で500円、1,000万円で5,000円ということになります。
どうでしょう、0.05%というのは資産運用として価値のある水準なのでしょうか?
僕はそうは思えないです。
もはや待機資金として、楽天銀行のマネーブリッジを活用し、0.1%の利息を得る方が合理的に思えます。
欲を言えば、頃合いを見計らって米ドルに転換し、米国債券クラスであるBNDなどの金融商品を購入したいところですが、、、
FRBの政策金利も最低水準にあり、今後の利上げでBNDなどの価格が下がることを考えると、簡単に手を出しにくいですね。
それでも2%ほどの利息があることを考えると、日本円とは雲泥の差があります。
コロナショックの折に少しだけPFFという米国優先株式を購入したのですが、まさに虎の子のような存在になっています。
やはり機微をつかんだ投資を行うことができると巨万の富を築くことができるのは間違いなさそうですが、そんな資質は全然持ち合わせていないですね。。。
少し話が脱線しましたが、無理して債券クラスに投資するよりは、普通預金=待機資金として持ち合わせ、いざというときに使える弾としたほうが良いのではないかと考えています。
こーた
海外債券クラスへの投資も同様に不要だと思っています。
ハイイールド債、いわゆるジャンク債には投資しない方針です。
本質的には現金も決して安全な資産ではありません。一方でその重要性も無視できませんが、、、
外国税額控除の二重課税調整制度に感動する
二重課税調整制度は素晴らしい
外国資産に投資を行うETFとREITの一部にについて、2020年1月1日以降の分配金から二重課税調整が自動で行われるようになりました。
具体的な銘柄については、下記JPXのHP最下部にリンクがあり、こちらから確認できます。
先日この二重課税調整対象銘柄の分配金をぼく自身として初めて受け取りました。
分配金明細は実に分かりづらいですね。
公表されている分配金が、すでに外国税額が控除された後だから、というのが原因のようです。
日本円での分配金(C)に配当金1円あたりの外国税額(I)を乗じた、加算対象額(K)がすでに控除されている外国税額になります。
つまり(C)¥22,288と(K)¥2,645の合算金額→¥24,933が外国税額控除前の分配金総額
(D)が所得税額、(E)が地方税額ということで、(K)¥2,645、(D)¥1,173、(E)¥1,246の総額¥5,064が控除されている税額合計ということになります。
確かに¥5,064/¥24,933=20.31%となり、復興税率を考慮した20.315%にほぼ近似します。
もし二重課税調整制度がなければ下記のように手取金額は¥17,761となっていたはずで、二重課税調整があるお陰で、分配金額の1割ほど受取金額が増えたことになります。
たとえ確定申告を行っても、取り返せる外国源泉税額は7割ほどになるため、自動で100%取り戻すことができる、この自動調整制度は大変素晴らしいです。
また一つ、投資が便利な世界になって嬉しい限りです!
こーた
米国株を中心に据えるデメリットが1つ解消されたことになります
残念ながら米国上場株式の売買については二重課税の問題が残ります
信託報酬だけでなく、二重課税調整も視野に入れて、米国株を直接買うか、国内上場のETFにするか検討の余地があります